お知らせ
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歩道を押し上げた桜のお話⑥ 意外?舗装のヒビの原因は
前回のお話の通り、
盛り上がった歩道を解体していくと
いろんなものが出てきました。
舗装をぐいっと大きく持ち上げているのは
やはり太く育った根っこです。
そして一方で
私たちがよく道端で見かけるような
ちょっとした舗装のヒビ割れになると
その下にあるのは
思ったよりもずっと細い根っこたちでした。
路面を真上から観察すると
根っことヒビの流れが
概ね重なっているのに気づきます。
鉛筆程度の太さから
親指くらいの太さのものまで、
画像を見ていただくと
根っこのサイズ感がお分かりいただけるかと思います。
しかも、アスファルトのすぐ下ではなく
それより少し下の部分を通る根っこが
地表に影響を及ぼしていたのも意外でした。
アスファルトの特性
舗装会社の方によると
アスファルト舗装(歩道だと3〜5センチ厚)は
上からの力には強いけれど
下から押し上げられるのには弱いそう。
舗装の下には路床の支えがあるから
踏まれる分にはしっかり耐えられるんですね。
この後、根っこが通る隙間を確保できる
根系誘導耐圧基板材を
歩道の深いところに敷設することで
こうした地面への影響も
軽減できるのではないかと思っています。
ヒビを辿って見えるもの
植物の根っこは
ただまっすぐ伸びているわけではありません。
土の中の水分や酸素、
そして微生物との関わりを通して
生育しやすい場所を探しながら
伸びていくことが知られています。
今回の現場でも道路面をよく見ると
ひび割れの先には
後からポールを立てた箇所がありました。
こうした舗装の切れ目は
雨水が地中へ入りやすいため
この場所も根っこにとっては
水を得やすい環境になっていた可能性があります。
最近は、千葉大学の研究でも
土中菌たちが植物同士をつなぐ
情報ネットワークとして働いて
養分のやり取りをしていることが
明らかになったそうです。
植物と菌たちの生きる力、
里山再生ワークショップ④のブログでご紹介した
土中の見えないネットワークの存在を
あらためて感じさせられる現場でした。
舗装のヒビは、ただの壊れた道路ではなく
地中でより良い環境を探し続けた
根っこの”足あと"だったのかもしれません。
<最終回へ続きます>
画像:ヒビの方向と根っこの向きが重なっているのがわかります
リンク:千葉大学ホームページ
夏季休業のお知らせ
平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら、弊社では以下の期間を夏季休業とさせていただきます。
休業期間:2026年8月13日(木)〜8月16日(日)
休業中にいただいたお問い合わせにつきましては、8月17日(月)以降に順次対応いたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。
皆様には素敵な夏休みをお過ごしいただけますよう、心よりお祈りいたしております。
<写真:おやすみ中のノアルさん>
歩道を押し上げた桜のお話⑤ 舗装の下はどうなっている?
桜の枝おろしが完了したら
いよいよ道路舗装を剥がして
土の中の状況を見ていきます。
ざっくり大きく掘れるところはユンボで、
細かいところは根のダメージを減らすべく
エアースコップという
空気の力で土だけをとり除ける機械を使いながら
手作業で掘るのです。
桜の根っこで持ち上げられている縁石や
アスファルトを剥がし
その下の路床を深く掘り進めていくと
徐々に根っこの状態が見えてきました。
狭い土の中で、生きるために
びっしりと伸びた細い根の奥では、
私たちの腕ほどに太い根が
縁石の下あたりでとぐろを巻くように育ち
狭い場所で身動きが取れない人が
腕を突っ張るように
舗装や縁石を押し上げていました。
根は下へ伸びられず
行き場を失った力が横へ横へと働き
その結果、舗装を持ち上げていたのです。
心苦しいのですが
このままでは道路への影響が大きくなるため
一旦、道路側にはみ出した根を整理していきます。
切り口が数センチの太さになっている根には
トップジンというお薬を塗ります。
樹木医さんによると
傷口を保護するとともに
発根を促す効果も期待できるとのことでした。
50年前の置き土産?
今回は2本の桜の足元を掘ったのですが
片方の桜のほぼ真下の部分に
なぜか厚さ10センチほどのコンクリ板が
埋まっていたことがわかりました。
これが一体何のためのものだったのか…
現場スタッフ、舗装会社の方々、
現場を見にいらしたマンション住人の方に
伺っても見当がつきませんでした。
想像するに、50年ほど前
開発当時のこのエリアは自然の丘で
周りの道も舗装されておらず
土だらけの状況でしたから、
工事車両が敷地内に入るための通路として
ここに仮のコンクリを打ってあったのが
そのまま残っていた…とか?
みんなで首を傾げるしかありませんでした。
舗装屋さんによると
むかし造成されたところには
当時のものが何かしら埋まっているケースは
ままある、とのことでした。
いずれにせよ、真上には桜がどんと乗っており
大きなコンクリ板を取り除ける状態ではありません。
これを避けて根っこが伸びられるよう
根系誘導耐圧基板材を入れていくことに。
掘ってみないとわからないものですね。
土の中の、見えない物語
このように、実際に育っている木の根を
ここまで掘って確認する機会は
なかなかありません。
人の目に見えない地面の下で
桜は何十年ものあいだ
少しでも生きやすい場所を探し続けていたのでしょう。
今回は、その姿を間近で見ることができた現場でした。
<続く>
画像上から:
・舗装を押し上げた根っこ
・外した根っこの一部(結構な量になりました)
・埋まっていた板
・切り口への薬剤塗布
GREEN×EXPO日記① 何もない野原から始まる庭づくり
梅雨明けが待たれる今日この頃。
雨の合間を縫って
GREEN×EXPO 2027(横浜花博)の現地へ行ってきました。
現地はまだ野原のよう
昨年の初夏に会場の下見をした時は
一面が造成工事中で
会場がどういう仕上がりになるのか
全く想像もつかない状況でした。
当社が出展する場所を
離れたところから見ましたが
まさにただの野っ原で…。
ぼうぼうと草が生え
土の上にはダンプのタイヤ跡があるだけです。
あれから1年。
一部に砂利敷きの道らしきものもできて
ほんの少し、会場の形が見えてきました。
当社の区画には目印杭も打ってあり、
いよいよスタートの時です。
最初の仕事は土を知ること
まずは土の状態のチェックから。
ぱっと見たところ
大小の石ころがたくさん混じっており
さらには固くしまっていて
とても掘りづらそうな様子です。
試しに、スコップを入れてみましたが
地面に刺さりもしませんでした!
体重をかけて掘ろうとしても
ほとんど刺さらないほど、ガチガチの土でした。
これでは人力での対処は難しいので、
ユンボを持ってこないといけません。
何もない造成地だからこそ、
土づくりの腕の見せどころです。
ユンボの大活躍
日をあらためて
ユンボで区画を掘ってみましたら
地表から50〜60センチまでは石ころだらけ。
手彫りしていたら間違いなく
故障者が量産されてしまうところでした。
その下に掘り進むと
黒くて良い土が見えてきます。
1m30cmほど掘ると
水が大量に湧き出してきました。
雨の後の作業でしたが
水を通しにくい層が下にあるのかもしれません。
ユンボで掘りつつ
区画内の表面のガラと黒土を天地返ししました。
石ころだって、土壌改良の味方にできることは
里山再生ワークショップで経験済みですしね。
植栽やお水のタンクを入れる予定の場所には
深めに黒土を入れていきます。
見えない職人たちにも働いてもらいましょう
それから地面を平らにならし、畝を作ります。
シイタケの廃菌床(はいきんしょう)と
籾殻くん炭、腐葉土をいれて
土を被せ、黒いマルチシートで覆いをしました。
シイタケを育てる原木は
菌たちがその木の栄養を使い終わると
役目を終えますが、
これを土に還してあげると
土中微生物たちが元気に育って
よい土づくりができるのです。
これから夏になって気温が上がれば
土中微生物たちの活動が活発になります。
今はまだ黒いマルチシートが見えるだけの
何もない区画ですが、この土の中では
目に見えない微生物たちが
せっせと働き始めています。
数ヶ月後、この場所がどんな景色になっていくのか。
私たち自身も今から楽しみです。
画像上から
・スコップも刺さらないほど固い土
・ユンボで土の状態を確認します
・廃菌床などを混ぜて土壌改良
・夏の間、微生物たちに働いてもらいます
2027年 国際園芸博覧会(横浜花博)出展のお知らせ
このたび弊社は、2027年3月19日から
横浜市(旧上瀬谷通信施設)にて開催される
「2027年 国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」へ
出展する運びとなりました。
この博覧会は「幸せを創る明日の風景」をテーマに
花や緑、最先端の環境技術を世界に発信する
国際的なイベントです。
おかげさまで創業以来、
私たちは多くのお客様をはじめ
関係各所の皆様に支えていただきながら
ここまで歩んでまいりました。
皆様への感謝の気持ちを込めて
私たちが日々取り組んでいる
庭づくりの楽しさや
お庭に息づく命にふれ
育む喜びをお伝えしたい…、
そんな思いで
来年の出展に向け準備を進めております。
出展ブースの制作状況や詳細につきましては
今後こちらのホームページでもご紹介してまいります。
2027年、皆様のご来場を
社員一同心よりお待ち申し上げております。
画像:銀梅花(マートル)、お祝いの木と言われています。
ちくわ状の枝を発見!キムネクマバチのお話
桜の枝下ろしをしていたら
写真のように、側面に丸い穴があき
中が筒状にくり抜かれた枝を見つけました。
穴の直径は1〜2センチ程。
覗いてみると見事な筒状になっていて
まるでちくわみたいですよね。
実はこれ、キムネクマバチという虫が
枯れた枝の内部を齧って
おウチにしていた箇所なんです。
スタッフのMさんは生き物に詳しくて
この枝を見ると
「あー、キムネクマバチだね!」と即答でした。
枯れ枝をくり抜いた中に
幼虫を育てるためのお部屋をいくつも作る
ハチなのだそうです。
枝の中はすでに空っぽ。
みんな巣立った後でした。
あまりにきれいな筒状にくり抜かれていたので
思わず覗いて写真をとってしまいましたよ。
黄色のフワフワがおしゃれ!キムネクマバチって?
クマバチ…というと怖そうな名前ですが
お花の蜜や花粉が大好きな
実はおとなしいタイプのハチさんなんです。
体長は2センチ強くらい。
胸のところが黄色くふわふわになっていて
何だかオシャレなマダムが
黄色と黒のお洋服を着ているようにも見えますね。
初夏から秋にかけて
藤や山桜など、お花の咲いているところで見かけます。
藤の花などは蕾がとても硬いので
クマバチたちがこじってくれないと花が咲きませんし
いろんな花々の受粉にも大活躍している生き物なのです。
ブーンという大きな羽音をたてて
人間の周りをホバリングするように飛ぶので
出会った時にはちょっとびっくりします。
オスのクマバチは 刺しません
ちなみに、人の周りを飛んで様子を見に来るのはオスで
オスには針がありません。
一方、メスには針がありますが
こちらから掴んだり刺激したりしない限り
刺すことはほとんどありません。
こちらが静かにしていれば
怪しい奴ではないなとわかって
大抵どこかに行ってくれますよ。
先日、別の場所で
キムネクマバチのホバリングに遭遇したのですが
スマホをそーっと取り出しているうちに
ハチさんはすっと飛んでいってしまいました。
どうやら私にはあまり興味を持ってもらえなかったようです。
彼らが住んでいたということは
この枝は少し前に枯れ込んでいたのでしょう。
入り口の穴を見つけられない限り
外から樹皮をぱっと眺めただけでは
中が空洞とはなかなか分からないものです。
枯れた枝にも、最後のお役目がありました。
ちくわ状の枝の穴を覗いて
自然の循環の面白さに触れたひと時でした。
歩道を押し上げた桜のお話④ 足場の上で考えること
こうして桜の保全と足元の道路補修方針が決まり
それに先立ち、まずは大きく育った枝葉を外す
処置から始めることになりました。
今回も、昨年の桜再生プロジェクトでお世話になった
横浜市青葉区の 株式会社 善さまに
足場をお願いいたしました。
(株式会社 善さまのホームページはこちら)
足場設営のスペシャリスト
大きな樹木の剪定に必要な足場というのは
ビルや一戸建てのような
四角いものを囲うのとは全く違い
設営がかなり難しいものです。
樹木は全天に向かって枝を伸ばしており
その幹や枝の太さ、形、向きも
一つとして同じものはありませんしね。
実際の足場の上で、どこにロープをかけて
安全に幹や枝を下ろしていけるかを
その場で相談しながら
足場を組み立てていただきました。
言ってみれば完全オーダーメイドの足場です。
おかげさまで、私たち植木職人も安心して
1トンを超える枝を下ろす作業を完了できました。
このような複雑な足場設営ができるご担当者様も
なかなかいらっしゃらないですから
地元でご相談できるのは本当にありがたいことです。
普段はそれぞれの現場で活躍されているお二人が
声を掛け合いながら
重たいパーツを着々と組み上げていく姿は
長年培われた技術と経験を感じさせるものでした。
こうして素晴らしい足場のステージが出来上がったら
今度は私たちが頑張る番です。
枝おろししながら悩むこと
桜の根っこの回復のために
足場をかけて枝を下ろしていく場合、
足場がないと切れない高さの枝や幹は
その時に切っていくしかないので、
健康診断や人間ドックのように
傷み具合をチェックしつつも
粛々と手を入れていきます。
足場がある時にやれること…って
住宅の外壁リフォームの時などにも言いますね。
ただ、状態的に
残せるかどうかギリギリの部位があった場合
もし後日ハシゴを使って下せる位置なら
少し様子見にするか…?など、
足場の上でいろいろと悩みながら進めています。
断面を見て思うのは
あちこち傷んだ幹や枝の断面を見ていると、
この桜が限られた足元の環境の中で
長い年月を耐えて生きてきたことが
じわりと伝わってくるのでした。
これから樹勢を取り戻して元気になれば、
たとえ今回大きく枝を打っても
数年後にはまた新たな枝を出し
沢山の花を咲かせてくれるでしょう。
頑張ろうね、と心中で声をかけつつ
作業を続けていきました。
そして今回も、蕾がついた状態で下ろした枝は
マンションの住民の皆様に
お持ちいただいています。
近所のご家族やご友人にと、お持ちになる方も。
暖かい部屋に入れたら
じきに蕾がほころんだと聞いています。
<続く>
株式会社 善様、現場取材と撮影をさせてくださり
本当にありがとうございました。
歩道を押し上げた桜のお話③ 樹木の根にやさしい道路下地
弱った根っこの回復を促す方法としては
昨年春にこのブログでもご紹介した
土壌改良やエアレーション、
そして枝数を減らして樹を養生する
桜の再生プロジェクトの手法があります。
しかし今回は、歩道側にはみ出した根っこを
取り除く工程が加わるので
桜への負荷がより気になるところです。
足元の土壌改良をするだけではなく
道路の安全を保ちながら
残った根っこの生育を、更に促す方法はないか?
…ここで、新しい材料を用いた舗装方法が登場するのです。
「根系誘導耐圧基盤材」ってどんなもの?
コンケー ユードー タイアツ キバンザイ…???
まるでお経みたいな名前の材料ですね。
これは、火山砂利をベースに
乾燥腐植(落ち葉等が分解されてできる
土の栄養分)などを混ぜて作られたもの。
日本で新しく開発された
植物の根っこにやさしい道路の下地材なんです。
写真の、袋に入っている茶色い素材で、
手に取って指で擦り合わせてみると
うっすらと水分を含み
ザリザリ、シャリシャリとした感触でした。
見た目は土のようですが
腐葉土のような香りはほとんどなく
意外にも無臭に近い印象です。
通常は舗装の下ってどうなっているの?
通常、道路舗装のアスファルトの下は
道を通るものをしっかり支えるために
ぎゅっと硬く、密に締め固めてあります。
すると道路のすぐ脇で生きる
樹木にとっては硬すぎるため、
その部分には根を伸ばしづらくなりますよね。
行き場がなくなった植物の根っこたちは
私たちが路上で目にする
約3〜5センチ厚のアスファルトや
縁石などのすぐ下に隙間を見つけ、
そこに向かって頑張って伸びようとして
徐々に路面のあちこちを押し上げていくのです。
新しい舗装基盤を使うと…
そこで通常の下地材に代えて
「根系誘導耐圧基盤材」を入れてあげると、
路床を締め固めた後でも
樹木の根っこが無理なく育つために重要な
細かい隙間が確保されるようになり、
根っこは徐々にそちらの方へ伸びていきます。
そして道路の荷重には十分耐えつつも
土中の通気性は保たれますし、
あらかじめ肥料成分も配合されているため
施工後は根っこが健やかに育つ環境が整うのです。
今回は、マンションの植樹スペースだけでなく
公共の歩道部分も修復するお話ですから
道路を管理している行政とも
採用する素材や工法について調整が必要でした。
マンションの皆さん、樹木医会の皆さん、
そして道路舗装の会社の皆さんや
行政担当の方々とも
打ち合わせをしながら方向性を決めていきました。
余談:海外の街中の樹木はどうしてる?
街中の樹木の根のスペースをどう確保するかは
世界各国でも様々な取り組みが行われています。
温暖化による豪雨被害が増える中、
海外では、街中の植樹スペースに
雨水を浸透させる工夫を行い、
治水やヒートアイランド対策に
活かしている例もあります。
もちろん国や地域により
気候条件や土壌、都市開発状況は異なりますが
私たちの足元、土の中について
少しずつ関心が高まっているのは
興味深いですね。
里山再生ワークショップの高田先生が
教えてくださった「通気浸透水脈」しかり、
今は土の中の仕組みを見つめ直す
時代なのかもしれません。
<続く>
歩道を押し上げた桜のお話② 根っこを減らす前に考えること
前回、あるマンションの桜の根が
すぐ横の道路の舗装を押し上げてしまっている
現場のお話をいたしました。
この写真のように、道路ぎわの舗装が
他の部分と比べても10センチ以上は
持ち上がって変形しています。
これを修繕して歩きやすい道にするには
いったん土中の根っこを取り除いてから
舗装をやり直さなければなりません。
根っこを切る前に必要なのは…
ここで、樹木全体のことを考えてみましょう。
もし地下の根っこを大きく切る場合には
地上の枝のボリュームも減らして
強風の負担を軽くしてあげる必要があります。
最近は極端な豪雨や暴風になることも多いですし
倒木の危険性には留意しなければなりません。
大きなうちわのように枝葉が広がったままでは
台風の時などに、少なくなった根っこだけでは
桜が耐えられないかもしれないからです。
それに、根を切除すると
樹が水や養分を吸い上げる力も弱くなります。
ですので、地上の枝葉を減らして
樹全体の負担を軽くしてあげる必要もあります。
葉っぱを少なくすれば
気孔からの水分の蒸散も抑えることができますね。
体が弱っている人の
負荷を減らしてあげるようなイメージです。
枝葉の重さのバランスも大事
もう一つ、倒木させないために大切なのは
樹木が安定して立っていられるバランスに
なっているかという点です。
例えば人間でも、片足立ちの状態で
片方の手だけに重い荷物を持っていたら
まっすぐ立ち続けているのは難しいですよね。
樹木たちも同じです。
支えの足である根っこが減った時は尚更、
地上にある幹はできるだけまっすぐ上に向かい、
そして枝葉の量は前後左右のバランスよく、
まずはその場所で
無理なく立っていられるようにしてあげたいのです。
この桜は最近、樹勢が落ちてきて
葉っぱや蕾をつけない枝があったり、
一部にキノコがついたりと
元気がなくなってきていました。
昨今の過酷な気象もありますが
根っこの成長が阻害されていることにより
栄養や水、土中の酸素が足りず
樹そのものの免疫力が落ちつつあるとも
考えられます。
傷んで枯れ込んできた枝は外さねばなりませんが
枝ごとの健康状態で判断するのみならず
全体の重量バランスを確認しながら
切除していく必要があります。
そして本丸。足元の根っこを回復するには
老いた桜をどうするか。
今回、道路の舗装をやり直しつつも
弱った樹を治療して、保存していくことはできるのか。
木の足元、根っこを再び活性化させる方法はあるか。
そんなことを考えていたある日、
根っこに優しい、新しい道路の舗装材
「根系誘導耐圧基盤材」に出会ったのです。
<続く>
※こちらの写真は施工が始まってから
撮影したものですが
路面の凸凹状態が伝わるかと思います。
歩道を押し上げた桜のお話 ①
あるマンションの、桜のお話です。
敷地ぎわに立つ古い桜の根が
敷地の外にある歩道のアスファルトを押し上げ
路面が凸凹して
だいぶ歩きにくい状況となっていました。
最近は日本全国でこういう場所が増えていますから
皆さんのお住まいの近くでも
そんな道がどこかしら思い浮かぶかもしれません。
こちらは築50年余のマンションで
敷地内には建設当時に植えられたであろう
立派な桜の木が何本もあり、
住民の方々や地域の皆さんが
毎年お花を楽しみにされています。
しかし、通行人の方々がここで躓いてしまったり
桜自体も、根っこのスペースが制限されているのもあり
少しずつ元気をなくしていたりと
道路と桜、両方の観点から
何か対応策を考える必要がでてきたのです。
土地の歴史を紐解くと
お話を聞いてみると
かつてこちらのマンションの敷地は
もう少し外側まであったそうです。
マンションの完成後に地元の道路整備があり
敷地の縁の一部を
歩道として供出したという経緯がありました。
ですので、建築当時はもしかしたら
この桜が植えられている植樹スペースにも
もう少しゆったりとした広さがあったのかもしれません。
緩やかにカーブした道の途中、
青空を背景に、陽の当たる風通しのよい場所で
この桜はすくすくと育ちました。
しかし成長する間に足元の植樹スペースが
きゅっと狭くなってしまい、
その限られたエリア内で
地中でとぐろを巻くように根を伸ばし続けた結果
道路ぎわで地中からアスファルトを押し上げ
歩道が凸凹になってしまった…ということでした。
桜もこの場所が気に入ったからこそ
こんなに大きく育ち、
植樹当時の施工者のみなさんも
ここまで立派な姿になるとは
想像していなかったかもしれませんね。
常緑樹と落葉樹の根っこの違い
樹木は生きるために根を伸ばし
その根っこの先で
生育に必要な養分を吸い上げています。
幹や枝と同様に、根っこも年の経過とともに
太く育っていきます。
常緑樹と落葉樹を比較すると、
常緑樹は「細い根」を数多く伸ばしますが
桜のような落葉樹では
常緑樹に比べて「太くしっかりした根」を
伸ばす種類も多くあります。
掘ってみないとわからないのですが
どうやらこの桜は
何かしら地中深くに根を伸ばしにくい状況らしく
その太めの根っこがアスファルト舗装を
ぐっと押しあげてしまっているようなのです。
これでは歩行者の方も通りづらいですし
桜にとってもいい状態ではありません。
何か良い方法がないか…
当社でもいろいろ調べてみました。
<続く>
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