お知らせ

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2024.09.21

秋のお彼岸、おはぎの話


この連休は、秋のお彼岸で


お墓参りをなさる方もいらっしゃるかと思います。



真夏のお盆時期よりは気温も下がりましたが


外はまだ蒸し暑いので


どうぞ気をつけてお出かけくださいね。

 


さて、お寺さんにはお庭があり


そのお墓には植栽もありますので、


私たち植木屋さんが時々お手入れに伺います。

 


例えばお盆前の時期などは、墓地は日陰も少ないので


ものすごく暑くて、大変な作業になります…。


でも、お墓の周りの植木をさっぱりきれいにすると


そこに眠るご先祖さまたちも


きっと喜んでくださるからと


自らに言い聞かせて頑張っております。

 


先日、お墓参りに行った際には


お墓の近くの植木周りの土が乾いていたので


「お前も暑い中、頑張ってるなあ」と声をかけて


水桶のお水をあげました。


何だか他人事とは思えませんでしたのでね…

 

 


お彼岸のお菓子といえば、おはぎですね。


邪気を払ってくれる力があるとされる小豆と


五穀豊穣を祈念する餅米で作るお菓子を


春と秋で「おはぎ」「ぼたもち」と呼び分けています。


 


秋の「おはぎ」は、まさに萩の時期なので


花の形に見立てて、少し細長い形に丸めます。


(写真のピンクのお花が、萩です)


春の「牡丹餅」は、季節の牡丹の花になぞらえて


まんまるく作るのです。

 


さらには、餡子にも違いがありまして…



農家さんに伺ったお話では、


小豆が収穫される秋には、柔らかくて香りの良い


豆の皮の風味を楽しめる粒あんを。



そして春まで貯蔵された小豆は


皮が固くなってしまうので、今度はこし餡で。

 




同じ小豆でも、時期によってこんなふうに


味わい方を変えているのは面白いですね。

 


今では年中どちらもいただけますが


植木と季節にちなんだ、素敵なお菓子の一つです。

2024.09.09

観葉植物のコバエ対策

9月初めの大きな台風は去り


少しずつ秋の訪れを感じる今日この頃、

当家では、コバエとの戦いが始まっております。

 

どうやら当家のハエは、室内で育てている観葉植物の

土壌有機物から発生している模様です。

まずはペットボトルを改良し

中に酢や砂糖を入れたトラップを仕掛けてみましたが

何日経ってもホコリしかたまらず、上手くいきません。

 

そこで、作戦変更して
写真のような黄色の虫取りシートを

観葉植物の周りに仕掛けてみたところ

これがかなり手応えあり!


このシートは以前、当社の育苗小屋の虫取りに

効果があったアイテムで、

今回、観葉植物まわりの虫にも効くかどうか

試してみたのですが、大成功でした。

 

インテリアとしては少し目立ってしまいますが


しっかりと虫を捕獲してくれる実用性があり、

室内で殺虫剤等を使うより

植物や人間、ペットにとっても

安心して使える虫対策かなと思っています。

ホームセンターなどでも簡単に手に入りますので

お困りの方は一度試してみてくださいね。

 

 

さて、この黄色のシートが何故か虫たちに人気があり

ずっと不思議に思っていたのですが

これには科学的な根拠があることを最近知りました。

 

このような色のトラップは「色誘引トラップ」とも

呼ばれ、昆虫を視覚的に引き寄せる効果を

活用しているのだそうです。

 

小さな虫は、植物の葉や花の色に反応することが多く

黄色や白など、明るい色を見つけると

「植物が光合成をしている!」と判断して

つい寄ってきてしまうんだとか。

中でも黄色が、特に強く引き寄せる色なのです。

 

そして我が家で砂糖水やお酢のトラップが

あまり効果を発揮しなかった理由としては、

特定のニオイや発酵成分に依存する方法では

虫たちが好む条件に必ずしもピッタリと一致しなくて、

むしろ広範囲の虫にアピールできる

黄色のシートの方が、効き目があったみたいです。

(明るい場所に鉢を置いているのも良かったようです)

うちではショウジョウバエ、キノコバエなどが

よくかかっておりました。

 

なお、湿った有機質の土が好きな小さな虫たちが

室内の鉢の土に卵を産んでしまうのを避けるには

土の表面に砂や小石を敷くという方法があります。

 

細かい砂やパーライト(真っ白な多孔質の粒々)、

グレーやテラコッタ色の小砂利を敷くのは

単に鉢のおしゃれというだけでなく

物理的に、虫たちが土に卵を産みつけにくくなるので

今すぐの虫べらしにはなりませんが

長期的には一つの虫対策になるでしょう。

 

虫たちにも悪気はありませんので

「ここはダメだよ」って、そっと教えてあげる感じですね。

2024.09.02

二百十日(にひゃくとおか)の風祭り

昨日は「二百十日」のお祭りでした。


当社の近くにお住まいで


伝統の行事を大切にされている素敵なお客様から

豪華な手作りおこわ弁当をいただきました!

お赤飯にお煮しめ…、とっても美味しかったです。

 

「二百十日」とは、暦の上で

立春から数えて210日目の雑節のことで、

おおよそ9月1日ごろにあたります。


 

毎年この頃になると必ず台風が来ると言われており、

農業や漁業に携わる人たちにとっては

作物への影響や漁の安全がとても気がかりな時期でした。

そこで、風を鎮めるための祈りを込めて

全国各地で「風祭り」が行われるようになったのです。

 

 

風祭り(風鎮祭)の形は、地域により様々です。

このお弁当のように、神様にお食事をお供えしたり

漁師さんなら獲れたお魚の料理をお供えしたり

神楽を奉納し地域の皆で町中を練り歩いたり…

 

有名なところでは

富山県の越中八尾「おわら風の盆」がありますね。

編笠をかぶって夕暮れの町をしっとりと踊り歩く様は

なんとも風情があって美しいものです。

 

数年前、当社のスタッフがこのお祭りを見に行った時

富山から帰る日に台風の直撃をうけて

飛行機が欠航になり


ギリギリ動いていた新幹線のチケットを取り直して

何とか東京駅まで帰ってきたことがあります…。

これもまさに二百十日の風祭りだったと言えましょう。

 

 

さて、今のような科学的データに基づく天気予報が

可能になったのは19世紀初頭です。

 

16世紀にイタリアでガリレオが温度計を発明し、

その弟子のトリチェリが気圧計を発明し、

さらにその後


19世紀のアメリカの画家モールスが


電信機(モールス信号機)を発明したおかげで


遠隔地の気象データを迅速に収集できるようになり…

 

ここでようやっと人類は


広範囲にわたる天気予報ができるようになったのです。

 

でも…そのようなデータが集められない時代でも

先人たちは暦を作り、皆で祭りを行い、

雲の形や風向き、太陽や月の色などの自然現象や


動物たちの行動をつぶさに観察して


一生懸命に天気を予測していたんですよね。

 

こうして長い時間をかけて成立してきた暦やお祭りは


先人の偉大な知恵の積み重ねです。


古来から伝わるお祭りの大切さを改めて思い返し、


そして、自然の脅威と恩恵を


共に胸に留めていらっしゃるお客様の姿、


今の私たちの心に響くものがありました。


 

この日の美味しいお弁当は、


お腹だけでなく、心までをあたたかく

いっぱいに満たしてくれたのです。

2024.08.28

夏の終わりの虫のお話

夏の終わりが近づき、時に涼しさが感じられる今日この頃、

みなさまいかがお過ごしでしょうか。

8月下旬になり、最高気温が35度を切ってくると

ほんの少し、体が楽になる気がします。

たった数度の差ですが、外で作業をする身には

ありがたい変化ですね。



 

暑い時期は、とにかく熱中症に気をつけながら、

そして集中力も落ちるので、怪我に気をつけながらの


お仕事になります。
あまりにも危険な気温になる場合は

お客様とスケジュールを相談させていただくことも

ありますが、涼しい季節が待ち遠しい今日この頃です。

(写真は、酷暑の中で涼む職人の姿です)

 


さて、少し気温が下がってくると虫も多く出てきます。


彼らは、暑すぎる時間帯は日陰でじっとしていますが


気温が30度を切ってくると、動きが活発になるので

今時分はちょっと注意が必要なのです。


 

職人は、怪我や虫さされ防止のために


夏でも長袖長ズボンスタイルで作業をしますが

それでも表に出ている部分を刺されることがあります。



 

蚊に刺されやすいスタッフは


虫除けを塗ったり
、蚊取り線香を腰につけたりして


作業することもありますし…

蜂やブヨなどで過去にアナフィキラシーショック


(強いアレルギー反応)を起こした経験がある者は


専用の薬を持ち歩いて


もしもの場合に備えていたりもするんですよ。

 

それから、ツバキやサザンカの葉を食べる、


刺されると非常に痛痒いチャドクガの毛虫も

今の時期に発生することがありますので


ご自宅の生垣がツバキ科の植物でしたら


近づく際には少し気をつけておくとよいでしょう。

 

今週は台風で難しそうですけれど

暑さが若干落ち着いた今の時期から


バーベキューやキャンプなどをなさる方も

いらっしゃいますよね。上手に対策をして

アウトドアを楽しんでください!

 

ところで、虫といっても困ることばかりではありません。

 

熱帯夜が落ち着いて、冷房なしでも過ごせそうな夜には

がらりと窓を開け、しばし耳を澄ませてみると…。


 

もう、鈴虫や松虫たちの心地よい声が聞こえてきますから。

2024.08.13

夏季休業のお知らせ

平素は格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。

誠に勝手ながら、弊社では以下の期間を夏季休業とさせていただきます。

 

休業期間:2024年8月14日(水)〜8月18日(日)

 

休業中にいただいたお問い合わせにつきましては、8月19日(月)以降に順次対応いたします。ご不便をおかけしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げます。

 

皆様には素敵な夏休みをお過ごしいただけますよう、心よりお祈りいたします。

 

 

<写真:赤坂のマンションのお庭手入れの時に撮影したショウジョウトンボです>

2024.08.08

夏みかんとブルーベリーのジャム

暑い日が続いておりますね。

その分といいましょうか

当社の畑では太陽の光をたっぷりと浴びた

ブルーベリーや夏みかんが

豊かに実をつけてくれています。

 

生で食べきれないほどいっぱい採れたら

ジャムやマーマレードにして頂くのも

夏の畑の醍醐味の一つです。

 

果実と砂糖を鍋でとろっとするまで煮て


出来立てを熱々のうちに瓶に詰めて

一週間くらい寝かせると(これが大事)

味が馴染んでぐっと美味しくなるのです。

パンやヨーグルト、フロマージュブラン等の

フレッシュなチーズとも相性抜群ですよ。

 

 

さて、このブルーベリー、

とても鳥さんに狙われやすい果物です。

青紫に色づく前に、真っ赤になったところを

すかさず見つけられ、啄まれてしまいます。

 

近所の畑では、全部の実をすっかり

食べられてしまっているところもあるので

彼らは本当に食欲旺盛ですよね。

 

そこで、鳥さんには申し訳ないのですが

今年は試しに畑にネットをかけてみました。

すると、我が農園の収量が驚くほど増えたのです!

今までこんなに啄まれていたとは…


効果は絶大でした…。

 

ただ、この畑のネット、

作物を守るのにはとても有効ですが

時に鳥さんが絡まって命を落としてしまうことがあり

それがどうも可哀想で気になっています。

皆で話し合い

2010年代の後半頃から市場に出始めた

「バードセーフティネット」と呼ばれる


鳥を傷つけにくい素材や設計のネットに

今年の冬あたり、張り替えようと考えています。

 

このネットは、網目の形状やサイズ、

素材の弾力性などが工夫されており

鳥たちが絡まりにくく、

それでいて十分な強度を持たせて作られている

アイテムだそうで、これで少しでも鳥さんが

怪我をしないようになるといいですよね。

 


畑をやっていると、

虫や鳥、その他の動物たちをふくめ

周辺のさまざまな生き物とのご縁があります。

私たち人間と同じように、みんな自然の一部ですから

できるだけ彼らともうまくやっていけたらと

日々、試行錯誤しています。

 

今年のブルーベリーは、あと2回くらいは収穫できそうですよ。

2024.07.21

旅先でも、植物観察。北と南の違いも楽しい。

この週末から、あちこちの学校が

夏休みに入りましたね。

休暇中は、どこか遠くへお出かけになるという方も

いらっしゃるかと思います。

 

日本は南北に長い国で、山林も多いですから

地元を離れて旅をすると

各地の気候に合った様々な植物や

地域の暮らしを見られるのも面白いところです。

 

庭師という仕事柄でしょうか、

私たちは出先で面白い植物や庭先をみかけると

ついつい観察してしまうので、

(もちろんご迷惑にならないようにしながら)

それが観光ポイントでなくても存分に楽しめるのです。

例えば街路樹一つをとっても、地域柄が伺えますよ。

 

 

北は北海道、札幌などの

雪の多い地域の街路樹としては

冬の除雪の際に邪魔にならないような

高木を植えていることが多いようです。

 

彼の地に多いプラタナス、イチョウ、ニセアカシア、

ハルニレなどは、枝葉が高い位置にある樹なので

雪の降る時期に除雪機等を使って

バンバン雪を跳ね上げるのを見ていても

街中の道も広いし、街路樹の枝が全く邪魔になっておらず

成程うまくできてる!と感心したものです。

 

 

一方で、南の宮崎県では

フェニックスというヤシの木が県の木に指定されていて

街路樹にも沢山用いられていました。

宮崎県は温暖な気候と美しい海岸線が特徴ですから

その南国風のイメージをよく象徴していますよね。

現地で偶然、このフェニックスの剪定をしているのを

見られたのも、なかなかに興味深いものでした。

 

作業の様子を見ていると、剪定前のフェニックスには

紅葉ではなく、これも黄葉というのでしょうか、

遠目には黄色かオレンジ色に見える枝葉があり、

植木屋さんたちはクレーンに登って

これらの黄葉している枝だけを

チェーンソーで切り落としていたのです。

 

自分の背丈ほどもある大きく尖った葉を

ぐっと押し避けながら枝元をカットするのは

さぞ大変な作業だろうと思います。

地面に落ちた黄葉の巨大なこと!さすがは南国の植物です。

 

剪定することで、枝葉の風通しが良くなって

フェニックスも呼吸しやすくなるでしょうし、

大きく重い葉ですから、台風などの際に

折れた枝葉が落ちたり飛んだりしないようにと、

街路樹の健康と地域の景観維持、そして安全を考えて

お手入れをなさっているのでしょう。

 

剪定を終え、緑の葉一色になったヤシの木達は

きりりと夏らしさを取り戻し、海風に揺れていました。

 

人間と自然の関わり方…各地それぞれで、面白いですね。

2024.07.13

雨の晩の月下美人

昨晩、雨の降る中

我が家の「月下美人」が咲きました。

 

4年程前に、知人から鉢植えを頂いた時には

50センチ程の大きさだったのですが

その後すくすくと育って

今はもう160センチを超え

支柱が必要なほどに伸びております。

 

うちのお庭の環境に馴染んでくれたのか

嬉しいことに

毎年2〜3回は大きく綺麗な花を咲かせ

澄んだ甘い薫りを漂わせてくれるのです。

 

 

さて、この月下美人は

メキシコの熱帯雨林地帯を原産地とする

サボテンの仲間です。

 

サボテンですから

育てるときにはお水をやり過ぎないのがポイントで

夏場は週に1回くらい、

その他の季節でしたら鉢植えの土が乾いてきた時のみ、

鉢の下の穴からお水が抜ける程度まで水やりします。

 

そして、元々は暑い地域の植物ですから

寒いところはもちろん苦手です。

日本で育てるなら

冬場に外気温が10度を切ってきたら

鉢植えを室内に入れて

寒くないようにしてあげるのがおすすめですよ。

 

「うちの月下美人が、何年経っても咲かない…」と

お悩みの方は、この水やりの加減と

冬場の温度管理がコツですので

試しにやってみてくださいね。

 

 

年に数回、一晩だけ咲く花ですから

うちでは蕾が大きくなってきたなと思ったら

鉢を窓辺の近くに置き

カーテンを開けたまま夜を待ちます。

 

8時過ぎには概ね開きますが

9時、10時頃になると

花の後ろの方の花弁やがく弁までふわっと開いて

より華やかになり、本当に見事なものです。

 

朝になれば萎んでしまう

本当にひと夜だけの美しさ。

夏の夜の花見も、案外よいものです。

2024.07.07

打ち水を兼ねて、お庭の水やりを

今日は本当に暑い一日でしたね!

この時期は、朝晩の涼しい時間に水撒きをすると

植木達も喜びますし、

お家の周りの打ち水効果も期待できて、

私たち人間にもちょっと良いことがありますよ。

 

撒いたお水がゆっくり蒸発するうちに

お家まわりの地表の温度を

2〜5度下げてくれますし、

さらに植木達が土から吸い上げたお水を

葉っぱから少しずつ蒸散させるので

その気化熱で葉っぱや周りの空気が冷やされ

お庭の中に空気の流れが生まれます。

 

夏の暑い時期は

日中は窓を締め切って冷房を入れっぱなしだけれど

朝早いうちだけ窓を開けて

換気をするというお宅も多いでしょう。

 

そんな時、ついでにたっぷりの打ち水や

お庭の水やりをして、窓からの風で


体に優しい涼しさを味わってみてはいかがでしょうか。

 

なお、庭づくりをする際に

フェンスだけで仕切っている場合と

生け垣などの植栽をプラスした場合では

敷地の中の空気の流れも変わってきます。

 

住まいとお庭の設計をうまい具合に調和させて

心地よい風を呼び込めるといいですね。

 

 

さて夏以外でも、お庭の中の空気の流れは

植物たちにとっても、重要なポイントです。

 

なぜなら、植物たちは光合成をしており、

この際に二酸化炭素が必要なのですが、

風がないと葉っぱの周りの二酸化炭素が

すぐに消費されてしまって

新鮮な二酸化炭素が足りなくなってしまうからです。

それと、空気が動かない場所では

葉っぱの表面に湿気が溜まりやすくなり

病気やカビの発生リスクも高くなります。

 

風が強すぎても困りますが

あまりに風がないのも良くないというわけです。

 

お水やりで、お庭まわりに少しの気温差をつくって

新鮮な空気が程よく流れるようになれば

植栽と人間、一挙両得と言えましょう。

 

それに何より、上手に水やりをしていると

植物達を酷暑のダメージから守ってあげられます。

秋口の植栽の元気さが違ってきますよ!

 

ともあれ、夏はこれから…。

ちょっとだけ工夫して、お庭の植木達と一緒に

暑さを乗り切っていきましょうね。

 

 

昨日の夕立の後、緑の多いところを歩いていたら

ふいに少しだけ涼しい空気に包まれて

暑さに疲れた心身がひととき癒されました。

 

物言わぬ樹々達が、一日を乗り切って

深呼吸でもしているかのようで、

植物達の息吹を感じられる私の好きな瞬間です。

2024.06.28

梅雨時だから、キノコのお話。


梅雨時の雨上がりにお庭に出ると、

葉陰の土の部分に

小さな白いキノコを見つけることがあります。

 

小人の傘のようで可愛らしい彼らは

お庭の枯れ葉や木の破片などを分解し

土の栄養に変えるという大切な役割を担っています。


それに、土の中に菌糸をのばして


水や空気の通りをよくしてくれるんですよ。

 

お庭の土を栄養たっぷりにしてくれて、


程よい通気性と保水性を与えてくれて、

土壌を健康に保ってお庭の植物の根っこが

のびのび育つことができる環境を作っている…

小さいのに、とっても働き者のキノコ達なんです。

 



さらに、一部の種類のキノコは


お庭の植物に必要な栄養素(特にリンや窒素)を


供給する一方で、植物たちからは炭水化物をもらって

上手に共生しています。


お庭の中にそんな循環があるんだなと思って


雨の日に窓辺から眺めるのもいいかもしれませんね。


 

なお、気温や湿度の条件が変わると


小さな白いキノコ達は
すぐに消えていなくなってしまいます。

ですので見つけた時にも取ったりせずに

そっとしておいてあげればOKですよ。


 

 

さて一方で…


私たちが見つけたら、ちょっと気になるキノコもあります。

先日ある現場で、大きなサルノコシカケに出会いました。


写真の通り、私たちの手よりも大きく

猿もしっかり腰掛けられそうなサイズです。


 

サルノコシカケは腐朽菌の一種で


何らかの理由で弱っている木や


既に死んでしまっている木に生えます。


ですから彼らを見つけた時は


その木の状態を注意して観察しなければならないのです。

 

このキノコは、木の繊維を分解して栄養にしており

これが外に大きく生えているということは

既に木の内部には菌糸が張り巡らされて


腐り始めていることを示します。


特に、心材(木の中心部分)が腐っている場合は

その木の強度が大幅に低下している可能性もあるのです。


 

もし腐朽が進行していれば

枝が折れたり木が倒れたりして危ないですし


近隣の健康な木に菌が広がることもあるので

さみしいですが、この木の伐採を検討することになります。

 

でも…以前にこのブログでお伝えしたように

虫たちや菌類は、労力をかけて樹を分解し

彼らが土に還るのを手伝ってくれているわけで…


このサルノコシカケだって、自然の循環の中で

大切な役割を粛々と果たしてくれているんですよね。

 

キノコ達の働きに心の中で感謝しつつ…


我が社では高木の枝おろし等にも対応しておりますので

この日もロープで安全を確保しながら

木を伐採させていただきました。

 

大きく立派な木に登って、


私たちも自然の小さな一部なんだ、と思いながら。

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