お知らせ

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2026.07.01

2027年 国際園芸博覧会(横浜花博)出展のお知らせ

このたび弊社は、2027年3月19日から

横浜市(旧上瀬谷通信施設)にて開催される

「2027年 国際園芸博覧会(GREEN×EXPO 2027)」へ

出展する運びとなりました。

 

この博覧会は「幸せを創る明日の風景」をテーマに

花や緑、最先端の環境技術を世界に発信する

国際的なイベントです。

 

おかげさまで創業以来、

私たちは多くのお客様をはじめ

関係各所の皆様に支えていただきながら

ここまで歩んでまいりました。

 

皆様への感謝の気持ちを込めて

私たちが日々取り組んでいる

庭づくりの楽しさや

お庭に息づく命にふれ

育む喜びをお伝えしたい…、

そんな思いで

来年の出展に向け準備を進めております。

 

出展ブースの制作状況や詳細につきましては

今後こちらのホームページでもご紹介してまいります。

2027年、皆様のご来場を

社員一同心よりお待ち申し上げております。

 

 

画像:銀梅花(マートル)、お祝いの木と言われています。

2026.06.25

ちくわ状の枝を発見!キムネクマバチのお話

桜の枝下ろしをしていたら

写真のように、側面に丸い穴があき

中が筒状にくり抜かれた枝を見つけました。

 

穴の直径は1〜2センチ程。

覗いてみると見事な筒状になっていて

まるでちくわみたいですよね。

 

実はこれ、キムネクマバチという虫が

枯れた枝の内部を齧って

おウチにしていた箇所なんです。

 

スタッフのMさんは生き物に詳しくて

この枝を見ると

「あー、キムネクマバチだね!」と即答でした。

枯れ枝をくり抜いた中に

幼虫を育てるためのお部屋をいくつも作る

ハチなのだそうです。

 

枝の中はすでに空っぽ。

みんな巣立った後でした。

あまりにきれいな筒状にくり抜かれていたので

思わず覗いて写真をとってしまいましたよ。

 

 

黄色のフワフワがおしゃれ!キムネクマバチって?


 

クマバチ…というと怖そうな名前ですが

お花の蜜や花粉が大好きな

実はおとなしいタイプのハチさんなんです。

 

体長は2センチ強くらい。

胸のところが黄色くふわふわになっていて


何だかオシャレなマダムが

黄色と黒のお洋服を着ているようにも見えますね。

 

初夏から秋にかけて

藤や山桜など、お花の咲いているところで見かけます。

藤の花などは蕾がとても硬いので

クマバチたちがこじってくれないと花が咲きませんし

いろんな花々の受粉にも大活躍している生き物なのです。

 

ブーンという大きな羽音をたてて

人間の周りをホバリングするように飛ぶので

出会った時にはちょっとびっくりします。

 

 

オスのクマバチは
刺しません

 

ちなみに、人の周りを飛んで様子を見に来るのはオスで

オスには針がありません。

 

一方、メスには針がありますが

こちらから掴んだり刺激したりしない限り

刺すことはほとんどありません。

 

こちらが静かにしていれば

怪しい奴ではないなとわかって

大抵どこかに行ってくれますよ。

 

先日、別の場所で

キムネクマバチのホバリングに遭遇したのですが

スマホをそーっと取り出しているうちに

ハチさんはすっと飛んでいってしまいました。

どうやら私にはあまり興味を持ってもらえなかったようです。

 

 

彼らが住んでいたということは

この枝は少し前に枯れ込んでいたのでしょう。

入り口の穴を見つけられない限り

外から樹皮をぱっと眺めただけでは

中が空洞とはなかなか分からないものです。

枯れた枝にも、最後のお役目がありました。

 

ちくわ状の枝の穴を覗いて

自然の循環の面白さに触れたひと時でした。

2026.06.18

歩道を押し上げた桜のお話④ 足場の上で考えること

こうして桜の保全と足元の道路補修方針が決まり

それに先立ち、まずは大きく育った枝葉を外す

処置から始めることになりました。

 

今回も、昨年の桜再生プロジェクトでお世話になった

横浜市青葉区の 株式会社 善さまに

足場をお願いいたしました。

(株式会社 善さまのホームページはこちら

 

 

足場設営のスペシャリスト

 

大きな樹木の剪定に必要な足場というのは

ビルや一戸建てのような

四角いものを囲うのとは全く違い

設営がかなり難しいものです。

 

樹木は全天に向かって枝を伸ばしており

その幹や枝の太さ、形、向きも

一つとして同じものはありませんしね。

 

実際の足場の上で、どこにロープをかけて

安全に幹や枝を下ろしていけるかを

その場で相談しながら

足場を組み立てていただきました。

言ってみれば完全オーダーメイドの足場です。

 

おかげさまで、私たち植木職人も安心して

1トンを超える枝を下ろす作業を完了できました。

 

このような複雑な足場設営ができるご担当者様も

なかなかいらっしゃらないですから

地元でご相談できるのは本当にありがたいことです。

 

普段はそれぞれの現場で活躍されているお二人が

声を掛け合いながら

重たいパーツを着々と組み上げていく姿は

長年培われた技術と経験を感じさせるものでした。

 

こうして素晴らしい足場のステージが出来上がったら

今度は私たちが頑張る番です。

 

 

枝おろししながら悩むこと

 

桜の根っこの回復のために

足場をかけて枝を下ろしていく場合、

足場がないと切れない高さの枝や幹は

その時に切っていくしかないので、

健康診断や人間ドックのように

傷み具合をチェックしつつも

粛々と手を入れていきます。

 

足場がある時にやれること…って

住宅の外壁リフォームの時などにも言いますね。

 

ただ、状態的に

残せるかどうかギリギリの部位があった場合

もし後日ハシゴを使って下せる位置なら

少し様子見にするか…?など、

足場の上でいろいろと悩みながら進めています。

 

 

断面を見て思うのは

 

あちこち傷んだ幹や枝の断面を見ていると、

この桜が限られた足元の環境の中で

長い年月を耐えて生きてきたことが

じわりと伝わってくるのでした。

 

これから樹勢を取り戻して元気になれば、

たとえ今回大きく枝を打っても

数年後にはまた新たな枝を出し

沢山の花を咲かせてくれるでしょう。

頑張ろうね、と心中で声をかけつつ

作業を続けていきました。

 

そして今回も、蕾がついた状態で下ろした枝は

マンションの住民の皆様に

お持ちいただいています。

近所のご家族やご友人にと、お持ちになる方も。

 

暖かい部屋に入れたら

じきに蕾がほころんだと聞いています。

 

<続く>

 

株式会社 善様、現場取材と撮影をさせてくださり

本当にありがとうございました。

2026.06.11

歩道を押し上げた桜のお話③ 樹木の根にやさしい道路下地

弱った根っこの回復を促す方法としては

昨年春にこのブログでもご紹介した

土壌改良やエアレーション、

そして枝数を減らして樹を養生する

桜の再生プロジェクトの手法があります。

 

しかし今回は、歩道側にはみ出した根っこを

取り除く工程が加わるので

桜への負荷がより気になるところです。

 

足元の土壌改良をするだけではなく

道路の安全を保ちながら

残った根っこの生育を、更に促す方法はないか?

 

…ここで、新しい材料を用いた舗装方法が登場するのです。

 

 

「根系誘導耐圧基盤材」ってどんなもの?

 

コンケー ユードー タイアツ キバンザイ…???

まるでお経みたいな名前の材料ですね。

 

これは、火山砂利をベースに

乾燥腐植(落ち葉等が分解されてできる

土の栄養分)などを混ぜて作られたもの。

日本で新しく開発された

植物の根っこにやさしい道路の下地材なんです。

 

写真の、袋に入っている茶色い素材で、

手に取って指で擦り合わせてみると

うっすらと水分を含み

ザリザリ、シャリシャリとした感触でした。

 

見た目は土のようですが

腐葉土のような香りはほとんどなく

意外にも無臭に近い印象です。

 

 

通常は舗装の下ってどうなっているの?

 

通常、道路舗装のアスファルトの下は

道を通るものをしっかり支えるために

ぎゅっと硬く、密に締め固めてあります。

 

すると道路のすぐ脇で生きる

樹木にとっては硬すぎるため、

その部分には根を伸ばしづらくなりますよね。

 

行き場がなくなった植物の根っこたちは

私たちが路上で目にする

約3〜5センチ厚のアスファルトや

縁石などのすぐ下に隙間を見つけ、

そこに向かって頑張って伸びようとして

徐々に路面のあちこちを押し上げていくのです。

 

 

新しい舗装基盤を使うと…

 

そこで通常の下地材に代えて

「根系誘導耐圧基盤材」を入れてあげると、

路床を締め固めた後でも

樹木の根っこが無理なく育つために重要な

細かい隙間が確保されるようになり、

根っこは徐々にそちらの方へ伸びていきます。

 

そして道路の荷重には十分耐えつつも

土中の通気性は保たれますし、

あらかじめ肥料成分も配合されているため

施工後は根っこが健やかに育つ環境が整うのです。

 

今回は、マンションの植樹スペースだけでなく

公共の歩道部分も修復するお話ですから

道路を管理している行政とも

採用する素材や工法について調整が必要でした。

 

マンションの皆さん、樹木医会の皆さん、

そして道路舗装の会社の皆さんや

行政担当の方々とも

打ち合わせをしながら方向性を決めていきました。

 

 

余談:海外の街中の樹木はどうしてる?

 

街中の樹木の根のスペースをどう確保するかは

世界各国でも様々な取り組みが行われています。

 

温暖化による豪雨被害が増える中、

海外では、街中の植樹スペースに

雨水を浸透させる工夫を行い、

治水やヒートアイランド対策に

活かしている例もあります。

 

もちろん国や地域により

気候条件や土壌、都市開発状況は異なりますが

私たちの足元、土の中について

少しずつ関心が高まっているのは

興味深いですね。

 

里山再生ワークショップの高田先生が

教えてくださった「通気浸透水脈」しかり、

今は土の中の仕組みを見つめ直す

時代なのかもしれません。

 

<続く>

2026.06.04

歩道を押し上げた桜のお話② 根っこを減らす前に考えること

前回、あるマンションの桜の根が

すぐ横の道路の舗装を押し上げてしまっている

現場のお話をいたしました。

 

この写真のように、道路ぎわの舗装が

他の部分と比べても10センチ以上は

持ち上がって変形しています。

これを修繕して歩きやすい道にするには

いったん土中の根っこを取り除いてから

舗装をやり直さなければなりません。

 

 

根っこを切る前に必要なのは…

 

ここで、樹木全体のことを考えてみましょう。

もし地下の根っこを大きく切る場合には

地上の枝のボリュームも減らして

強風の負担を軽くしてあげる必要があります。

 

最近は極端な豪雨や暴風になることも多いですし

倒木の危険性には留意しなければなりません。

大きなうちわのように枝葉が広がったままでは

台風の時などに、少なくなった根っこだけでは

桜が耐えられないかもしれないからです。

 

それに、根を切除すると

樹が水や養分を吸い上げる力も弱くなります。

ですので、地上の枝葉を減らして


樹全体の負担を軽くしてあげる必要もあります。

 

葉っぱを少なくすれば

気孔からの水分の蒸散も抑えることができますね。

体が弱っている人の

負荷を減らしてあげるようなイメージです。

 

 

枝葉の重さのバランスも大事

 

もう一つ、倒木させないために大切なのは

樹木が安定して立っていられるバランスに

なっているかという点です。

 

例えば人間でも、片足立ちの状態で

片方の手だけに重い荷物を持っていたら

まっすぐ立ち続けているのは難しいですよね。

 

樹木たちも同じです。

支えの足である根っこが減った時は尚更、

地上にある幹はできるだけまっすぐ上に向かい、

そして枝葉の量は前後左右のバランスよく、

まずはその場所で

無理なく立っていられるようにしてあげたいのです。

 

この桜は最近、樹勢が落ちてきて

葉っぱや蕾をつけない枝があったり、

一部にキノコがついたりと

元気がなくなってきていました。

 

昨今の過酷な気象もありますが

根っこの成長が阻害されていることにより

栄養や水、土中の酸素が足りず

樹そのものの免疫力が落ちつつあるとも

考えられます。

 

傷んで枯れ込んできた枝は外さねばなりませんが

枝ごとの健康状態で判断するのみならず

全体の重量バランスを確認しながら

切除していく必要があります。

 

 

そして本丸。足元の根っこを回復するには

 

老いた桜をどうするか。

今回、道路の舗装をやり直しつつも

弱った樹を治療して、保存していくことはできるのか。

木の足元、根っこを再び活性化させる方法はあるか。

 

そんなことを考えていたある日、

根っこに優しい、新しい道路の舗装材

「根系誘導耐圧基盤材」に出会ったのです。

 



<続く>

 

※こちらの写真は施工が始まってから

撮影したものですが

路面の凸凹状態が伝わるかと思います。

2026.05.29

歩道を押し上げた桜のお話 ①

あるマンションの、桜のお話です。

 

敷地ぎわに立つ古い桜の根が

敷地の外にある歩道のアスファルトを押し上げ

路面が凸凹して

だいぶ歩きにくい状況となっていました。

 

最近は日本全国でこういう場所が増えていますから

皆さんのお住まいの近くでも

そんな道がどこかしら思い浮かぶかもしれません。

 

こちらは築50年余のマンションで

敷地内には建設当時に植えられたであろう

立派な桜の木が何本もあり、

住民の方々や地域の皆さんが

毎年お花を楽しみにされています。

 

しかし、通行人の方々がここで躓いてしまったり

桜自体も、根っこのスペースが制限されているのもあり

少しずつ元気をなくしていたりと

道路と桜、両方の観点から

何か対応策を考える必要がでてきたのです。

 

 

土地の歴史を紐解くと

 

お話を聞いてみると

かつてこちらのマンションの敷地は

もう少し外側まであったそうです。

 

マンションの完成後に地元の道路整備があり

敷地の縁の一部を

歩道として供出したという経緯がありました。

 

ですので、建築当時はもしかしたら

この桜が植えられている植樹スペースにも

もう少しゆったりとした広さがあったのかもしれません。

 

緩やかにカーブした道の途中、

青空を背景に、陽の当たる風通しのよい場所で

この桜はすくすくと育ちました。

 

しかし成長する間に足元の植樹スペースが

きゅっと狭くなってしまい、

その限られたエリア内で

地中でとぐろを巻くように根を伸ばし続けた結果

道路ぎわで地中からアスファルトを押し上げ

歩道が凸凹になってしまった…ということでした。

 

桜もこの場所が気に入ったからこそ

こんなに大きく育ち、

植樹当時の施工者のみなさんも

ここまで立派な姿になるとは

想像していなかったかもしれませんね。

 

 

常緑樹と落葉樹の根っこの違い

 

樹木は生きるために根を伸ばし

その根っこの先で

生育に必要な養分を吸い上げています。

幹や枝と同様に、根っこも年の経過とともに

太く育っていきます。

 

常緑樹と落葉樹を比較すると、

常緑樹は「細い根」を数多く伸ばしますが

桜のような落葉樹では

常緑樹に比べて「太くしっかりした根」を

伸ばす種類も多くあります。

 

掘ってみないとわからないのですが

どうやらこの桜は

何かしら地中深くに根を伸ばしにくい状況らしく

その太めの根っこがアスファルト舗装を

ぐっと押しあげてしまっているようなのです。

 

 

これでは歩行者の方も通りづらいですし

桜にとってもいい状態ではありません。

何か良い方法がないか…

当社でもいろいろ調べてみました。

 

<続く>

2026.04.25

街の樹々に、節目の時期が

今年の桜は平年より開花が早かったようですが

みなさまお花見は楽しまれましたでしょうか。

桜前線はただいま函館付近を北上中で、

五稜郭全体がピンク色に染まっている様子も

伝えられています。

 

春は、時にとても風の強い日があるものです。

そしてここ最近は、強風の後に

桜や杉、欅などの倒木のニュースを耳にする時もあり、

各所の樹木たちは元気にしているだろうかと

ふと気にかけることの多い季節でもあります。

 

 

見えないところで進む変化

 

街の中にある木々は

公園や街路、マンションの敷地など

私たちの暮らしのすぐそばで

長い時間を黙して生きています。

 

近年、そうした樹木の多くに

年月を重ねた分に加えて

昨今の異常気象の影響もあり

ダメージを徐々に蓄積している様子が見受けられます。

 

国総研など、国の研究機関の資料でも

街路樹の老木化や生育環境の悪化に伴う問題が

各地で報告されており、

倒木や根上がり、樹勢の低下などが

既に平成の頃から課題として挙げられてきました。

 

現在は、これまで増やしてきた街路樹を

「これからどう維持していくか」という段階に

入ってきているとも言われます。

全国的にも街路樹の数は「増加から横ばいへ」と転じ

今後は「増やす」ことばかりでなく

「適切な維持管理」の重要性が高まると指摘されています。

 

戦後80年が経ち、復興期に植えられた木々が今、

節目の時期を迎えつつある――

そんな時期になったということでしょうか。

 

 

いつもと少し違う春

 

もちろん、すべての木が

すぐに弱るわけではありません。

 

丁寧にお手入れされて

元気に育ち続けている木もあれば、

周囲の環境に合わせて更新(植替)されたり、

あるいは足元の土壌環境を整えることで

弱った木が回復していくケースもあります。

 

日本の都市の中の木々は

ごく限られた土の中で生きており

根を広げる余地が少なく、

これも樹勢が落ちやすい要因の一つです。

 

木の体力が落ちれば

病気にかかりやすく回復もしづらくなる…、

私たち人間と変わらないんですよね。

 

今年のお花見で

花数が減ったように見えたり

木全体のなかで蕾のない小枝が多いことに

なんとなく違和感を覚えた方が

いらっしゃるかもしれません。

 

あるいは、空洞ができ、キノコが生えた幹や

根っこがアスファルトを押し上げているなど

これまでとは違う印象を持たれたという方も

いらっしゃるのではないでしょうか。

 

木もまた、生きものです。

長い時間を同じ場所で過ごしていく中で、

少しずつ環境の影響を受けながら成長していきます。

 

だからこそ、戦後の復興期や高度成長の時代に

街の中に多くの木を植えてくれた

先人たちに感謝をしつつ、

樹木たちにこれからも気持ちよく花を咲かせ

素敵な木陰をつくり続けてもらうためには、

そろそろ現代を生きる私たちが

今の環境と木々の生育状況に合わせて

あらためて手を入れてあげることが

必要なのかもしれません。

 

最近、そうした「木の足元」のお手入れに

関わらせていただく機会がありました。

次回からその様子をご紹介できればと思います。

 

 

<参考>

国土交通省 国土技術政策総合研究所

「街路樹再生の手引き」

少し古い資料ですが、第2編(p136〜)には

全国の街路樹再生の事例が写真付きで

掲載されています。

2026.04.10

ゴールデンウィーク休業のお知らせ

平素より弊社をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。


ゴールデンウィーク中の休業期間について

以下の通りご案内申し上げます。


 

【ゴールデンウィーク休業期間】


2026年5月3日(日)~5月6日(水・祝)


 

2026年5月7日(木)より営業を開始いたします。


休業期間中にいただきましたお問い合わせにつきましては


営業再開後、順次対応させていただきます。


皆様もどうぞ良い連休をお過ごしくださいませ。

 

 

<写真:都内では八重咲の山吹が満開でした。>

2026.03.21

里山と海も、繋がっています。里山再生ワークショップ<番外編>

今回の里山ワークショップで

実際に山に入る前、座学の勉強会があり、

その途中で、過去のあるシーンを思い出しました。

 

それは趣味の魚釣りで

東伊豆 伊東の釣り船宿にお世話になった時のこと。

 

そこでお世話になった船頭(船長さん)から

こんなお話を聞いたのです。

 

「海中の水圧と大気圧。

 海底から陸の山頂までは、

 土の中の水脈でずっと繋がっている。

 魚にとっては全て繋がっているんだよ。

 水中と空中は、繋がっているんだよ。」

今でも頭の中に残っています。

 

この日は、1匹も釣れなかったから

余計に忘れられないのでありますが(笑)

 

 

山に降り注いだ雨水は

土の中の水脈を通じて川へと流れ、

さらに遠く海へとたどり着きます。

その一部は、海の底からも

清冽な水として湧き出しています。

 

海底湧水は、通年の温度変化も少ないので

そこは海の魚たちにとって良い産卵場所になり

豊かな海の命の源となります。

 

多くの「通気浸透水脈」をいかにして確保するか、

山の土壌が呼吸しやすい環境作りができるか…、

陸上でのそんな営みは、

こうして自分が釣りに訪れる海にも繋がっていました。

 

土の中と、土の上…という境目も

あくまで人間が便宜上に引いている線であって、

植物や土中の微生物、動物や魚たちにとっては

全部ひとつながりのお話なんでしょうね。

2026.03.15

岩も、樹木と仲良しです。 根っこと菌、土の中でつながる秘密のネットワーク。里山再生ワークショップ④

さて前回までのお話で、里山の土の中に

水と空気の通り道「通気浸透水脈」を整えるため

丸太や落ち葉、剪定枝や石など

山にあるものを用いて

人間ができるお手伝いの方法をご紹介してきました。

 

ところで…

水は土中で「下に」しみ込むばかりでなく

実は「下から上にも」動いているんですよ。

 

 

身近な街路樹でイメージしてみましょう

 

例えば私たちがよく見かける街路樹が

動かしている水の量をイメージしてみましょう。

 

マンションの3階程度の高さの樹一本が

(樹高は約10メートル)

夏の1日に

葉の裏の気孔から蒸散させる水の量は

なんと200リットル近いと言われています。

 

2リットルサイズのペットボトルで、100本分。

それだけの水を、土中深くから上に吸い上げ

ゆっくりと動かしています。

これにより、樹木自身の温度や

周辺の気温を下げる働きもしているのです。

 

雨が降った時は

その全てが樹木に吸い上げられるわけではなく

土の中にしみ込んだ水の一部は

ゆっくりと下へ流れていき

新たな水脈となって小川に流れ出ます。

 

もし里山や街中の木々がみんな元気で

少しでも土中環境が整っていれば


台風や大雨の時でも、木々の根は土を抱え

土中にはたっぷりと水を蓄えつつゆっくり浄化し

豊かで澄んだ伏流水にして

川に還してくれるというわけです。

 

 

根っこと菌たちの壮大なリレー

 

樹木の根っこは、土や岩を抱えながら伸びていきます。

そして、その先端には土中微生物たちが

私たちの目には見えませんが

さらに遠い先まで連なり、水や養分をやり取りしています。

 

落ち葉等の有機物を分解できる健康な土には

「団粒構造」といって


スポンジのような小さな隙間がたくさんあります。

 

この隙間で根っこや菌たちは毛細管現象をおこし

(布巾を水に浸すと、水がしみ上がっていくように)

水や養分などを運んでいるのです。

 

樹木の根っこは

樹種によって深さや広がり方が様々です。

もし私たちの身近な場所に元気な樹があれば

その木の下、土の中には

根っこと菌の壮大なネットワークが

広がっています。

 

ちなみに、人間が植樹した森では

同じ樹種が一斉に植えられることが多く

似た深さの根が同じように伸びていきます。

 

一方、鳥さんが種を運び

さまざまな樹種が混ざりながら

時間差で芽生えていく森では

根は土の中の異なる深さに広がります。

 

そうすることで

水や養分をバランスよく分け合いながら

土壌全体を支えてくれるという利点もあるのです。

 

 

岩や石はミネラルたっぷり

 

皆さんは、ハイキングや城跡巡りなどで

巨大な岩にへばりつくようにして

大きな樹木が育っているのをみたことはありませんか?

あれにもちゃんと理由があります。

 

岩や石には、これまでの地殻変動や地震等により

細かいヒビ(節理 せつり)がたくさん入っています。

ここに雨水が通ることによって

岩からミネラルが供給され


さらには微生物の棲家にもなっています。

 

岩に苔むしていれば尚良しです。

樹木たちは岩を通る水のメリットを知っていて

岩や石の周りに根を這わし

苔や節理の中に、根と菌糸のネットワークを

張り巡らしているのです。

 

 

瓦やコンクリ片も役立ちます

 

そして里山や庭の土中環境を改善するのには

自然の石だけでなく

瓦(素焼きがおすすめ)や

コンクリートブロック片なども活用できます。

 

前回の記事の通り

落ち葉や藁、剪定枝などの有機物や

炭やくん炭と一緒に重ねて仕込むと

瓦やブロックの細かい隙間やヒビに

菌たちが住み着きますし

水や空気の通り道をつくる助けになってくれますよ。

 

 

古来からの自然との対話の中で

 

日本では、巨岩や巨木を御神体として大切にし

それらのある場所を

神域として守ってきた歴史があります。

 

これは昔の人が、自然界の大きな循環を

知っていた証なのかもと感じさせられます。

 

ただの岩、ただ大きな木なのではなく

私たちの生命や暮らしの大元、根本を

まさに足元から支えてくれる

大切な存在だったんですよね。

 

今年のお散歩やハイキングで見る木々や岩、山の姿は

一味ちがって見えるかもしれません。

どうぞ大切に見守ってあげてくださいね。

 

 

◾️書籍のおすすめ

よくわかる土中環境

今回のWS講師、高田宏臣さんの本です。

里山だけでなく、私たちのお庭でも実践できる内容を

イラスト入りで分かりやすく紹介しています。


 

未来が変わる!土中環境と有機土木


こちらは高田宏臣さんの新刊です。

イラストや写真も多数掲載。

 

◾️参考情報(こちらのワークショップは開催終了しています)

【先人の知恵と視点に学ぶ土中環境からの里山再生】

高田先生を講師にお招きした、寺家スタジオでの実践講座。

寺家スタジオホームページ

※リンク先画面を下にスクロールしていただくと

ワークショップ情報がご覧いただけます。

 

 

写真:福寿草と河津桜。スタッフWさん撮影

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